究極のリラクゼーション法
投稿日:2010年2月3日 | 最終更新日: 2020年10月8日
2009年11月、ヨーガのレッスンの最中に、面白い体験をしました。
これこそ、究極のリラクゼーション法ではないか?と思いました。
「お返しします」
アーサナ(ポーズ)のあと、プラーナヤーマ(呼吸法)を行う前に、数分間の長い「シャヴァ・アーサナ」を行います。
シャヴァ・アーサナというのは、仰向けに寝て疲れを癒す、最もリラックスできるポーズです。
全身の力を抜き、自然呼吸で、ヒーリング音楽に身を委ねて数分間、リラックスします。
そのとき――ああ、眠いなぁ・・・と思った瞬間――ブルブルッと振動がやってきました。
ハッとして目を開けました。すぐに振動はおさまりました。一瞬のことでした。
振動が収まったあと、ふと「お返しします」という言葉が出てきました。
口には出していません。心の中で唱えていました。
「しばらくの間、お返しします」と。
自分でもびっくりしました。
そして次に、「今から離れます」という言葉が続きました。
私は、自分の肉体から意識を遠ざけるようにしました。
肉体のコントロールを、すべて手放したのです。
そして、何も考えないようにして、シャヴァ・アーサナの時間が終わるのを待っていました。
そのときの私の思考はほんの一瞬のことでした。しかし、説明するとけっこう長くなります。
肉体は、私のわがままをいつも聞いてくれています。歩こうと思えば足が動きます。字を書こうと思えば指が動きます。さらに、私の知らないところでも働いてくれています。食べ物を口から入れれば消化してくれて、栄養分を吸収し、排せつしてくれます。心臓は勝手に動き、血液を循環させてくれます。私の思う以上のことをして、私を助けてくれています。
私の肉体を構成する60兆個の細胞は、一つひとつが、個別の生命体です。一つひとつに意識と意志があります。それらが寄り集まって、心臓や肝臓などの臓器や神経系などの部位を組織化しています。そして私という肉体全体を創り上げています。一つひとつはバラバラなのに、寄り集まって、全体として調和し、働いています。
いつもありがとう。
しばらくの間、私は離れています。この体は、あなたたちにお返しします。その間は、私のためではなく、あなたたち自身のために、働いてください。
しばらくの間、あなたたち自身のために、働いてください。
いつもありがとう。
私は、全身から意識を離すようにしました。足の先から指先、胴体、顔、頭まで、すべて意識しないようにしたのです。
しばらくして、音楽が終わりました。
「呼吸に意識を持ちます…。体にも意識を持ちます…。両手バンザイ。上下に伸びます…」
インストラクターの声で、離していた意識を肉体に戻してきました。――シャヴァ・アーサナが終わりました。
いつも以上に、私はすっきりしていました。心身ともに、完全にリフレッシュできました。すばらしい。
これだ!と思いました。
これこそ、究極のリラクゼーション法ではないか!
これ以降、レッスンのたびに、シャヴァ・アーサナはこの方法で行うようにしました。
さらに、ヘミシンクのエクササイズにも取り入れました。波の音が聴こえ始めたら、すぐにこの究極のリラクゼーション法を行うようにしたのです。
「いつもありがとう。私は離れています。お返しします。しばらくの間、あなたたち自身のために、働いてください」と唱えて、肉体から意識を離すようにするのです。
非常にうまくいくようになりました。
「使ってください」
その後、2~3か月が過ぎたころ。
長いシャヴァ・アーサナをやっているとき。
いつものように、肉体に感謝し、意識を離していきました。
そのとき――ふと、肉体の声を聴いたのです。
「戻ってきてください。使ってください」
え?
「戻ってきてください。使ってください」
すぐに理解しました――そうなんです。
肉体は、私のために存在してくれているのです。
使ってほしいのです。動いてほしいんです。
そのために、肉体は存在しているんです。
――ありがたいことです。大事に使いたいと思いました。
これからも、体の声を聴くように努力したいと思いました。
いつも勝手に使っていますが、ちょっとの間だけでもコントロールを手放し、体の声を聴く――そういう習慣を身に着けたいと思っています。