「七帝柔道記」・・・泣いた! 笑った! 感動した!

投稿日:2013年9月4日 | 最終更新日: 2020年11月15日


都ぞ弥生の雲紫に 花の香漂ふ宴遊の筵
尽きせぬ奢に濃き紅や その春暮ては移らふ色の
夢こそ一時青き繁みに 燃えなん我胸想ひを載せて
星影冴かに光れる北を
人の世の 清き国ぞとあこがれぬ


豊かに稔れる石狩の野に 雁遥々沈みてゆけば
羊群声なく牧舎に帰り 手稲の嶺黄昏こめぬ
雄々しく聳ゆる楡の梢 打振る野分に破壊の葉音の
さやめく甍に久遠の光り
おごそかに 北極星を仰ぐ哉


寒月懸れる針葉樹林 橇の音凍りて物皆寒く
野もせに乱るる清白の雪 沈黙の暁霏々として舞ふ
ああその朔風飊々として 荒ぶる吹雪の逆巻くを見よ
ああその蒼空梢聯ねて
樹氷咲く 壮麗の地をここに見よ


牧場の若草陽炎燃えて 森には桂の新緑萠し
雲ゆく雲雀に延齢草の 真白の花影さゆらぎて立つ
今こそ溢れぬ清和の陽光 小河の潯をさまよひゆけば
うつくしからずや咲く水芭蕉
春の日の この北の国幸多し


朝雲流れて金色に照り 平原果てなき東の際
連なる山脈玲瓏として 今しも輝く紫紺の雪に
自然の藝術を懐みつつ 高鳴る血潮のほとばしりもて
貴とき野心の訓へ培ひ
栄え行く 我等が寮を誇らずや

関連記事