ついに “ブレイク!” – ヘミシンクのコツをつかむ -- ライフライン2006 体験記

投稿日:2006年5月7日 | 最終更新日: 2020年10月25日

2006年4月15日(土)から4月21日まで、米国バージニア州にあるモンロー研究所に行き、「ライフライン(Lifeline)」というプログラムを受けてきました。そこでの体験をレポートします。

詳しくは、『あきらめない! ヘミシンク』の第3章(pp.133-187)をご覧ください。

素直に体験を楽しもう!

出発~到着

2006年4月15日(土)から4月21日まで、米国バージニア州にあるモンロー研究所に行き、一週間のプログラムを受けてきました。
ライフラインという、フォーカス27の意識状態までを体験するプログラムです。
モンロー研に行くのは半年ぶり。2005年9月に続いて2回目でした。

2005年9月に参加したのは、「ゲートウェイ・ヴォエッジ(Gateway Voyage)」というプログラムでした。これはヘミシンク入門編のプログラムで、フォーカス21までの意識状態をさまざまな形で体験するものです。
ゲートウェイで体験するテーマは結構盛り沢山です。
フォーカス10の「肉体は眠り意識は目覚めている状態」、フォーカス12の「意識の拡張した状態」、フォーカス15の「無時間感覚の状態」での体験、そしてフォーカス21という「向こうとこちらの境界線」などなど。

一方、ライフラインのプログラムの最終目的はシンプルです。
フォーカス27の意識状態に自分をしっかりとコネクトし、自分のガイド*と協力して、フォーカス23に囚われている人の意識を「救出(Rescue)・回収(Retrieval)」すること。
フォーカス27の意識状態は、喜びにあふれている、と言われています。また、強力なヒーリングのエネルギーを持つ意識状態でもある。
そういったフォーカス27の力を借りつつ、肉体を持つ相手/持たない相手の両方を癒す。
他人を癒すことは、すなわち、自分を癒すことになる。

今回のプログラムは、非常に有意義でした。楽しい1週間でした。
ヘミシンクを始めたのは2004年の6月からなので、2年近くになりますが、これほど充実し、達成感のある体験は初めてでした。

ヘミシンクでは、セッションが始まる前に、必ずトレーナーから「Have Fun!」と言われます。「楽しみましょう!」と。
今回参加して学んだことの中で、最も貴重な体験は何か?
それは、Have Fun! ――楽しむことの大切さを実感したことです。

成田空港からANAとUAの共同運航便でワシントンDCダレス空港まで12時間。
そこからチャーターしたバスで約3時間。
モンロー研究所は、米国バージニア州--人口約15万5000人のシャーロッツビル(Charlottesville)の近郊--ブルーリッジ山脈(Blue Ridge Mountains)の裾野--のどかな牧場に囲まれた、すばらしいロケーションにあります。
モンロー研究所のナンシー・ペン・センターに到着したのは、4月15日(土)の夕方4時頃。
これから一週間、ヘミシンクにドップリ浸かりタップリ味わいます。
ライフラインのセッション数は25回。--楽しみです。

ガイドとは、自分とたいへん関係の深い知的生命体のことです。その名の通り、当人が意識する/ないにかかわらず、常にその人の魂の成長と進化を見守り、本人の意思を尊重しつつも必要なときには手を差し伸べてくる存在です。ハイアーセルフ、ハイヤーマインド、ヘルパーなどとも呼ばれます。
ガイドとのコミュニケーションは、ほとんどの場合非言語(ノン・バーバル)コミュニケーションです。もちろん言語化される場合もありますが、多くはシンボルやイメージで交信されます。あるいは自然現象や社会現象、周囲の人々の言葉や行為を借りる、といった形で現れることもあります。

リセット

到着した15日(土)の夜から16日(日)はセッション中に意識を失うことが多く、ほとんど何も体験できませんでした。「今日はReset Dayですよ」という言葉を励みに、意識を保つための何かいい工夫はないか・・・と考えていました。

出発の前日まで、忙しい状況が続いていました。
仕事が終わったのは深夜零時を回っていて、それからパッキングを始めるような状況で、日常の意識状態を引きずったままの出発でした。

緊張状態が続いてリラックスできないと、ヘミシンクのワークはうまくいきません。

初日からの2日間(15日・16日)の主なテーマは、フォーカス21(別の意識体系との境界)までの復習です。
フォーカス10からフォーカス12に移行するあたりまでは、かろうじて意識はあるのですが、そこから先は、雑念に囚われているうちに記憶が途切れてしまう状況が続きました。
フォーカス15やフォーカス21までの同調は不可能でした。

しかし、なぜか焦る気持ちはありませんでした。
「きっとそのうち、何とかなるだろう」という(根拠は何もありませんが)妙な安心感がありました。
二度目の訪問で、慣れていたからでしょうか。

今回のライフラインに参加するにあたって、心に決めていたことがあります。
それは、「素直に体験を楽しもう!」ということです。

昨年9月のゲートウェイでは、いつも考えごとをしていました。
「このビジョンが見えたのはなぜだろうか?」
「自分にとってどんな価値があるんだろうか?」
「それはきっと○○だからに違いない」・・・。

今度ばかりは、これじゃあイカン・・・と。
今回は、「意味づけをしない!」
「まずは、あるがままを受け容れる!」
「ワクワク感を楽しもう!」と決めました。

モンロー研にいる間は、「なぜ?」「どうして?」「どういう意味?」といった疑問は差し挟まない。
疑問の解決は日本に戻ってからにしよう。
その時、その時を楽しもう!

16日の朝、トレーナーからも、
「流れる水をつかむようなことはしない。水を溜めた後で調べましょう」
というようなアドバイスがありました。

「左脳優位から右脳優位へ」ということも。

今思うに--「楽しもう!」と決めていたことが、よい結果をもたらしたと思います。
有意義で豊富な体験が可能になったと思います。

前兆

3日目の17日(月)朝1回目のセッションは、フォーカス23(囚われ領域)の探索でした。
セッションが始まり徐々にフォーカスレベルが上がって・・・フォーカス23に達しました。
しかし・・・真っ暗で何も見えません。

何もないまま探索を終えてフォーカス21(境界線)に戻って来たときです。
突然--イメージが飛び込んできました。

なぜか、私は、高層マンションの最上階の廊下に舞い降りていました。
向こうには河川敷が見え、その先に平野が続いています。
見下ろすと・・・高い。恐い。

その時--「あっ!これはチャンスだ!」と直感しました。
「飛べ!飛べ!飛ぶんだ!」と。

次の瞬間--私は廊下の塀を飛び越えて、空中に身を投げ出していました。
飛べました。自由に。空高く。
どんどん高く、ズーッと大気圏を越えて地球を見下ろすところまで飛んだような気がしました。

なぜ「チャンスだ!」と思ったのか? それは、1年半前にさかのぼります。

初めてヘミシンクのセミナーに参加したときのことです。
ヘミシンクに限らず、このような(スピリチュアル系の?)セミナーに参加するのは初めてだったので何をどうしてよいのかわからず、ただヘッドフォンをつけて寝ているだけの状態が続き、何の体験もなくて焦るやら頭に来るやら、最後は諦めて「ダメだこりゃ」と投げ出しました。

諦めて力が抜けたのがよかったのか、最終日の最後のセッションで、突然、目の前にビジョンが広がりました――橋の欄干から誰かに突き落とされるような状況に遭遇したのです。

そのとき私は「恐い!」と恐怖に駆られました。
「無理だ!恐い!飛べない!」と叫んでいました。
「飛びなさい!」と誰かが背中を押しています。
でも、躊躇してしまいました。

--非常にリアルな体験でした。
後になって「あ、あの時、思い切って飛んでしまえば楽だったのに」と悔やみました。
そのことを急に思い出したので、「今度こそ、チャンスだ!」と感じたのです。
--そして、飛ぶことができました。

セッションが終わった後、この体験をシェアしたとき、なんと驚いたことに--私がマンションから飛び出す光景を二人の参加者に目撃されていたことがわかりました。
つまり--同じようなシチュエーションのイメージを、同時に3人で共有していた、ということです。
もちろん、事前に何の打ち合わせもしていません。
ビックリです。一人は同じフロアの廊下から、もう一人は地上から見ていたそうです。

集合無意識は繋がっている--ということなのでしょう。

このことがあってから、少しずつクリックアウト(一瞬の眠り)が減り、意識を保っていられる時間も長くなって、ビジョンが見えるなどの体験が出始めてきました。

不安

4日目の18日(火)からは、いよいよフォーカス27を訪問します。
フォーカス27に行けるかどうか(同調できるかどうか)心配でしたが、それは杞憂でした。
何の問題もなく到着(同調)することができました。
しかし、私には--もっと大きな不安がありました。

フォーカス27に最初に到着したときのイメージは・・・・・・
なぜか、ゴルフカップの中からポコンと、飛び出してきました。

辺りを見回すと、ゴルフ場のように短い芝生の生えた、だだっ広い平らな公園。
ところどころに木が生えていたり、小川のようなものがあったり・・・。
公園の向こうには、なだらかな丘陵が広がり、山々に繋がっている。
丘陵にも山の方にも点々と、ある程度の距離をおいて家屋やさまざまな建物が見えている。

ふと、後ろのほうから、聞き覚えのある声がしました。
「ちょっと! 歩きにくいわよ。誰か助けてよ!」。
振り向くと、参加者の一人の女性Aがいました。なぜか歩きにくそうです。
私は手を差し出してしばらくエスコートしました。
すぐそばを、別の参加者の女性Bが、スキップしながら通りすぎていきます。

セッション後に確認したところ、Aさんは「確かに草茫々で歩きにくかった」とのことですが、私の存在には気づいていませんでした。
Bさんは「ウキウキしていたけど、スキップしていたかどうかはわからない」とのこと。

公園の端の方は崖のようになっています。
崖の向こうには雲海が広がっています。

崖の端に立って下を覗いてみると、公園の下の方まで雲海が広がっています。
つまり、今立っているこの土地は、空中に浮かんでいるのです。

何か発着場のような建物が、崖に沿って建っています。
黒いような茶色いような鉄製の建物の感じです。

近づいてみると、空の下のほうから何か乗り物のようなものがガコンガコンと、次々と昇ってきます。
到着すると人が吐き出されてきます。

その人たちは、別の小さな乗り物に数人ずつ分かれて乗り、チューブのようなトンネルを使って、どこかに出発していきました。

二回目のフォーカス27では、イメージの力で自分の家(Special Place)を作る、ということを試みます。

豪邸を建てようとしたのですが、なかなかうまくイメージできず、結局3LDKのこじんまりした家になってしまいました。
山裾の緑豊かな場所です。
--そのようにしかイメージできないのが不思議です。

乗り物も欲しいと思い、直径数メートルくらいの、卵型の丸い宇宙船をイメージしました。
できました。なぜか半透明になってしまい、中が透けて見えます。
しかし、結局最後まで動かすような状況にはなりませんでした。

いつか、この宇宙船を使うときが来るのでしょうか・・・。
--何かの布石のような気がしていました。

フォーカス27を往復する途中、フォーカス25あたりでいくつかの信念体系らしきイメージも見えました。
印象的だったのは、城壁に囲まれた宗教都市のようなイメージです。
黒いような灰色のようなマント風の服を着た人々が、うつむき加減で疎らに歩いています。
お互いに会話をする様子はありません。みんなバラバラで空ろな感じです。

少しずつですが、調子が出てきました。
「いいぞ、いい感じだ・・・」。
夕方のセッションからは、ついに--ライフラインの主目的である「レトリーバル」が始まります。

しかし私は、あと二つ、大きな不安を抱えていました。

一つは、睡魔・雑念との闘いです。
リラックスしなければワークはうまくいきません。
しかし、リラックスしすぎると寝てしまいます。
ヘミシンクにはつきものの悩みです。
雑念--集中できずまったく別のことに心を奪われてしまう。
心ここにあらず・・・。

私にはもう一つ、大きな不安がありました。
それは――いまだに、自分のガイドに会えていない(認識できないない)ことでした。

ライフライン・プログラムの主目的は、フォーカス23に囚われている人たちの「救出」です。

そのためには、まず自分のガイドと会って、それから、ガイドと一緒に救出に向かうことが前提になっています。

--さあ困った。

ついに! コツを掴み始める!

睡魔・雑念の克服

雑念に囚われているうちに寝入りこんでしまう--ヘミシンク最大の難敵です。
試行錯誤の末に、私はとんでもない方法を思いつきました。

クリックアウト(一瞬の眠り)したり、雑念に囚われたりすると、ヘミシンクにうまく入っていけません。
特に自宅でヘミシンクCD聞いているときは、仕事のことや人間関係のこと、家族のことなど、雑念が頭の中をクルクル回ってしまいます。

結論の出る思考ではなく、同じことを何度も堂々巡りで考えている。
自分の意志と関わりなく、思考だけが勝手に動いている。
ときどき怒りや落胆などの感情が表れてくる。
--雑念というのはそんな感じです。

「思考と感情のループに入り込む」という表現がピッタリかもしれません。
そのうちに寝入りこんでしまい、気がつけばピーという帰還信号(セッション終了の合図)が鳴っている・・・。

セッション中にふと、ある方法を思いついて試してみました。
--うまくいきました。
最初から最後まで、一度も意識を失いませんでした。
セッション中の記憶もすべて残っています。
雑念に囚われそうになっても、すぐに元に戻ることができます。

それからです。うまくいき始めました。
セッションを繰り返す中でバージョンアップし、さらにうまくいくようになりました。
--コツをつかみました。

可笑しな話なので、恥ずかしくて最初は誰にもしゃべっていなかったのですが、以下のような方法です。
一種の「イニシエーション(通過儀礼)」のようなものだと思います。

ECB(Energy Conversion Box=エネルギー変換箱)*1の中に、着ている衣類をすべて放り込みながらグイーンと、ヘミ・シンクの世界にシフトしてきます。
降り立つ場所は海岸、砂浜――ここはフォーカス3(脳と心の同調状態)。
私は海の向こう(C1=現実)から、こちら世界にやってきた。
ECBに入れる衣類は、思考や感情や本能などC-1で生きるために必要なもの。
これらをすべて脱ぎ捨てて、真っ裸になる。

海岸沿いの低い土手を上がり、陸のほうを見る。
平野が広がっていて、その先には山々が見える。
山には雲がかかり、さらにその上に青空が広がっている。
――山のほうに向かって、リゾナント・チューニング*2を行う。
チューニングでは、7つのチャクラを意識しながら全身を同調させる。

すばやくReball*3をつくり、山の方に向かってアファメーション*4を行う。
「こちらの世界に来たぞ!よろしく!」と叫ぶような感じで。
  
次に、山の麓にある一軒家まで歩いていく。
それは、この世界の入り口に立つ私だけの家。
あばら家のような日本家屋。床は板張りで20畳くらい。ワンルーム。
玄関先には、私のPICコード*5(個人標識)である「黒帯で縛った竹筒の杭(Focus 10と彫ってある)」が建っている。

家の中には、こちらの世界を探索するための道具を置いてある。
さっそく身につける。
「柔道着」を着て、ぎゅっと黒帯を締め、「ライトセーバー」を腰にぶら下げ、右目だけのかっこいいメガネと小さなマイクを装着する。
柔道着の背中と腕の部分には「ドルフィン」が刺繍され、帯には自分の名前が入っている。

柔道着が私を守ってくれる。
ドルフィンはいざという時に癒しのパワーを発揮してくれる。
ライトセーバーはEBT*6。使い方は自由自在。明かりにもなり剣にもなる。

右目のメガネは記録用のカメラになっていて左脳に繋がっている。
こちらの世界では左脳には主にアーカイブ機能に徹してもらう。
喋ればマイクから録音できる。
解釈や翻訳はC1に戻ってから。

装着が終わると――「よっしゃ」と掛け声をかけて、パンパンと顔を叩き、ドスンと一発四股を踏んで気合を入れる。

気合を入れるのはここまで。
これ以上やると力が入ってしまう。

意図を明確にし、意識を失わないようにプロテクトする。
--そのための儀式。
後はリラックスし、すべて流れに身を任せ、起こることのすべてを受け容れる。

縁側に座り、番茶をすすり・・・ゴロンと横になって、太陽の光を浴びながらうつらうつらとリラックスに入る。

--このようにイメージし、フォーカス10(身体睡眠・意識覚醒)の状態になるように心がけます。
そして、フォーカス12(意識拡大)に移行するためのガイダンスと信号を待つのです。

まるで、ロールプレイングゲームの主人公のようです。
マンガやアニメにもなった宮部みゆきの小説「ブレイブ・ストーリー」のような世界。

--まさにその通り、非物質エネルギーの世界(あるいは集合無意識の世界)に入り込み、探索と救出の冒険をする主人公役が ―― 私です。
柔道着以下のアイテムは、レトリーバル時の強力な武器になります。

C1に帰還するときは、フォーカス10のあの家ですべての装備を外し、真っ裸の姿に戻ります。
そして海岸までゆっくり歩き、振り向いて、山のほうに向かって「ありがとう。また来るぞ!」と叫び、ピーという帰還信号とともに、C1に戻ってきます。

これだけのイニシエーションをやることで、なんとか睡魔と雑念を克服しました。
果たして、こんなことでいいのかどうか分かりませんが、とりあえず、私はこれで、うまくいきました。
これからも、しばらくはこの方法を続けていきたいと思います。
限界を感じれば、それはそのとき考えることにして。

それから、もう1つ注意していることがあります。
それは、イメージしている状況の中で、なるべく視点を自分の側に置いておく、ということです。
つまり、外から自分の姿を「客観的」に眺めるのではなく、自分が主人公であり、自分が行動している、自分が「主体的」に外を見ている、という視点です。

あともう1つ--それは、C1の身体と、向こうの世界に行っている(ヘミシンクに同調している)意識体のどちらも認識しておくことです。

ときどき、肩や首などに力が入ってしまうことがあります。
チェックしてリラックスする必要があります。深呼吸が必要なときもあります。
あるいは、向こうでの出来事について、声に出してしゃべった方がいい場合もあります。
バイロケーションということかもしれません。

今振り返ってみるに、「意識化されたアクティブな自我の確立と維持」をやっていたのではないかと思います。

以下は、ヘミシンで使うテクニック(メンタルツール)の一部です。
詳しくは、拙著『ヘミシンク超入門』『ヘミシンク完全ガイドブック』などをご覧ください。
*1 エネルギー変換箱(Energy Conversion Box=ECB)
*2 リゾナント・チューニング(Resonant Tuning=共鳴の調律)
*3 リーボル(Reball=Resonant Energy Balloon)
*4 アファメーション(Affirmation=宣言・暗示)
*5 PICコード(Personal Identification Code=個人的な標識)
*6 エナジーバーツール(Enagy Bar Tool=EBT)

ガイドの存在を知る

ガイドには「会えない」のではなく、傍にいるのにその存在に「気づいていない」だけ――なるほど、その通りです。
私たちは常にガイドと一緒にいる。でも、普段はそのことに気づいていない。

フォーカス27で、さあこれから救出だぞ、というときに試してみました。
視覚・聴覚・触覚・臭覚・味覚――五感のすべてと、感情(Emotion)・感覚(Feeling)をオープンにして、鋭敏にして、ガイドの存在を感じ取ろうと試みたのです。

心境としては、開き直って、さあ、なんとかしてくれ!
ガイドがいるんだったら、証拠を見せてくれ!

「もし、傍にいるのなら、何か合図をください!」--実際に、声に出して叫びました。

しばらく待ちました。

すると左後ろの方から、何かが覆いかぶさってくるような感触がありました。
そして、頭蓋骨の左側をぐいぐいっと押すような、ズキンとするような痛みがやってきました。
回数は、二回です。ズキン、ズキン。

「あ、いるんだ」--初めて確信に近いものがありました。

会話したわけではありません。見えたわけでもありません。
しかし、確実に、わたしの要求に対して反応があったのです。
「よしっ!」--安心して救出に出かけました。

救出を終えてフォーカス27に戻ってきたとき尋ねました。
「あなたは誰ですか?」
答えは、声のような声でないような・・・言葉が自然と心に浮かび上がってきました。

「私は、君自身だよ」--????? いまだによく分かりません。

その次のセッションでは、一回だけ、ズキンと来ました。OK!――安心しました。

翌日19日(水)。
もう尋ねることはやめました。
救出の最中に、傍にいることは分かったし、協力し手助けしてくれていることも分かりました。

そして、最終日の20日(木)、ついに--ガイドの姿を見ることができました。

私の後ろから、グルッと左側を通って、“のそり”と現れました。

なんと--「熊(bear)」でした。

体長1.5mくらい?の黒い熊。首もとのあたりに白い三日月形の模様があるように見えるので「月輪熊」かもしれません。

柔道着を着て、熊を従えて・・・これでマサカリ担いだら、まるで「金太郎」じゃねえか!
なぜ、熊なのか?(熊に見えるのか?感じられるのか?)--分かりません。

とにかく、このようにして私は、ガイドの存在を感じ、確信することができました。

感動しました。

でも、これは「はじめの一歩」です。これから、うまくコミュニケーションができるように、努力していきたいと思っています。

ついに! ブレイク!

救出活動(レトリーバル)

私の救出活動はいつもファンタジー、あるいはアドベンチャーのようでした。
シリアスなものは一つもありません。楽しくて仕方ありませんでした。何度も救出に向かいました。
行くときは、突然、ボコッと地面に穴が開き、ウワ~ッと落下していきます。

相変わらず、フォーカス23は真っ暗です。
五感のすべてをフル稼働して、何かを感じ取ろうと努力します。
しばらくして、あきらめかけた頃、ぼんやりと何かが見えてきます。

一回目:きこり

深い山奥の森林の中、延々と木を切っている“きこり”がいました。
どうやら、ここで事故にあってしまったようです。

こちらの存在になかなか気づいてくれません。
どうやったら彼の関心を引けるかいろいろ考えた末に--ライトセーバーを斧と鋸代わりに使って二人乗りの木の乗り物を作りました。
スプラッシュ・マウンテン(ディズニーランド)の丸太ボートのような感じです。

「一緒に乗りませんか?」と誘いました。
すると、後ろの席に乗ってくれました。

柔道着にあるドルフィンの刺繍を見て、「これは何だ?」と訊いてきます。
山に住んでいるのでイルカなんか見たことなかったようです。

丸太ボートに乗ってフォーカス27に到着しました。

フォーカス27の森林の中にあるログハウスの前で、昔の仲間たちが温かく迎えてくれました。
彼はうれしそうに近づき、ログハウスの中に消えていきました。

二回目:プール

階段の踊場のようなところで、ビックリしたように目を見開いた女性が立ち尽くしていました。
縦長の目なので、猫の目を連想しました。
見開いたまま、何かの理由で、ある一点から目が離せないようです

彼女の視線を追ってみました。
水槽あるいはプールのような施設があり、中にはドロドロしたタール状(たぶん血ではないかと)のものが渦巻いていました。

そこで、両袖に縫い付けてあるドルフィンを呼び出し、プールに飛び込んで泳いでもらいました。
するとドロドロが透明な水に変わってきました。

それでも彼女は動こうとしません。
フォーカス27への帰還のガイダンスが始まりました。焦ってきました。

思い余って、私はライトセーバーを取り出し、彼女とプールを含むシーン全体をバリバリと切り取りました。そして、必死の思いでフォーカス27まで持ち上げました。
公園の真ん中に、その巨大なシーンを丸ごとドーンと運び入れました。

すぐに、どこからともなくネズミのような小動物が現れ、シーンのすべてを食べつくしてしまいました。
するとなぜか、彼女は小さな白いウサギに変身していて、ぴょんぴょんと公園奥の山のほうに消えていきました。

私は、ガイドを慰労したいと思い、フォーカス27の自分の家(スペシャル・プレイス)に連れてきました。
お風呂に入った後、何かご馳走したいと思い、ふと・・・ここに私の妻(生きています)を呼べないかなと・・・、試してみました。
やって来ました(と思います)。妻は料理を作りました。
ところが、なんと、その料理というのは――パック入りの納豆1個でした。
はっきり言って手抜きです。
でもその時は、まったく不思議に思いませんでした。

ガイドが満足してくれたかどうかは分かりません。
とにかく私は、ひと仕事終えた満足感で一杯でした。
セッションが終わったあと、私は汗びっしょりになっていました。
体は動かしていないのに、こんな風になるんですね。

足もフラフラです。
ミーティングルームに降りていくとき、階段を転げ落ちそうになりました。

三回目:骨董品

なだらかな草原の丘陵が広がっています。
草原のくぼみの一角に、小さな丸い窓が見えます。
誰かが中にいるようです。
覗いてみても、暗くてよく分かりません。
他に入り口はありません。
ライトセーバーを使って窓をこじ開け、中に入りました。
埃だらけです。
西洋の骨董品のようなガラクタが雑然と散らかっています。

誰かいるようですが、暗くて分かりません。
「誰ですか?」と呼びかけても返事がありません。
しばらくして--諦めました。

次のセッションで、もう一度行きました(スッと一直線に行けました)。

「もっと大きな博物館や図書館があるよ」と言うと付いてきてくれました。
男の子のようです。

フォーカス27にあるスペシャル・プレイスに連れて行きました。
でも、私の本棚では満足できないようです。

そこで、公園に続く山の中腹にある巨大な “記録所” のような所に行きました。
それは、なぜか“じょうご”のような変な形をしています。
外壁はモザイク模様で、カラフルな光の色に瞬いています。

彼は、満足そうに中に入っていきました。

後になって、ヘミシンクの本に書かれていたことを思い出しました。
フォーカス27には図書館など、いろんな施設があるようです。

四回目:アルピニスト

深い渓谷の底の方に降りていきました。
周囲は薄暗く、陽の光はほとんど入ってきません。
雪が舞い降りています。寒い。凍えてきます。

--崖に張りついたまま身動きできないでいる人を見つけました。
男性のようです。
手を離せば谷底に落ちてしまいます。

どうやって助けようかと、しばらく考えていました。

その人のすぐ頭上には、大きく岩が張り出しています。
この岩のおかげで、上からの落石や降雪に耐えられたようです。

私はその岩の上に降り立ち、下を見ました。
すると彼は、なぜか私の存在に気づいてくれました。

私は柔道着の帯を解き、彼の体に巻きつけ、思いっきり引き上げようとしました。
するとそのとき、足場にしていた岩が急にグラッと動いたように感じました。
「何だ? どうした?」

その瞬間、理解しました。その岩は--彼のガイドが変身した姿だったのです。
ずっと、彼のことを守ってくれていたようです。

岩は私たちを丸ごとグーンと持ち上げて、一気にフォーカス27まで運んでいきました。

フォーカス27の公園に着地しました。
彼は倒れこんだままです。ヘロヘロのドロドロ状態です。

オレンジ色の服と白いヘルメットを着た救助の人たちが担架を担いで駆けつけてきました。
登山家の仲間たちと思しき人たちも駆け寄ってきます。
みんなで声を掛け合いながら、担架に乗せて運んでいきました。

みんなとても心配していたようです。生前から慕われていた人だったようです。
そんな雰囲気が伝わってきました。

どこの誰だかわかりません。
--何かないかと遺品を探ってみました。

すると、“山” “田”と書かれたものが見つかりました。

なんだこりゃ。山田なんて名前はたくさんあるぞ。これは嘘だろう。
きっと私が勝手にイメージした名前に違いない。

セッションが終わったあと、この体験をシェアすると、なんと「“山田昇”という有名な登山家が、アラスカのマッキンリーで遭難して亡くなっていますよ」と教えたくれた人がいました。
エーッ!まさか! そんな人を救ったの? そんな大それたこと・・・。
それに、私は登山などまったく経験したことはありません。まったく知りません。

帰国後、調べてみました。

確かに存在しました。日本最強のアルピニスト “山田昇”。
1989年2月、厳冬のマッキンリーに39歳という若さで散ったそうです。
しかし、「岳友三人と」とあります。私が救出したのは一人のはずですから、違う人物かも知れません。

中公文庫から『ヒマラヤを駆け抜けた男―山田昇の青春譜』(佐瀬 稔 (著))が出版されていました。
彼の出身地である群馬県沼田市には「山田昇ヒマラヤ資料館」あるようです。

「氷壁の下で3人の遺体はザイルで結ばれていた。なぜアンザイレンしたのかと思う多くの岳人もいる。しかし『友を思う気持ちが人一倍強く、誰からも好かれた山田昇の最後にふさわしい』と、遭難現場にたどり着いた先輩がもらしている。自分の登頂記録だけを追い求めるのではなく、死の世界と言われる8000mの雪稜にあっても、常に友の心を思い、生きている証、喜びを人との関わりの中に求めた稀なアルピニスト山田昇」

--尊敬され、愛された人物だったようです。

本を買って、読んでみましたが、登山などまったく興味のない私には、山に命をかける男たちの、気持ちは分かるような気はしますが、共感できるか?と聞かれると・・・。
「う~ん」。よくわかりません。

なんでこんな救出をしたのか・・・。

後日談ですが、ライフラインが終わって一ヵ月後、ふと気がつきました。
「山田昇という登山家がいるよ」と教えてくれた彼!--Wさんは、学生の頃よく山に登っていたようです。
参加したメンバーの中で、本来なら、私ではなく彼が救うのがピッタリです。
--ひょっとしたら、私は彼の代わりに救出劇を演じたのかもしれません。
ちょっとおこがましいようですが、そんな気がしてきました。

その他

先天性の病で苦労した末に40代で自殺したCさんは、私の柔道着姿に気づいてくれました。
(私は子どものころから柔道をやっていたのですが、憶えていてくれたようです)。
三輪車に二人乗りしました。
私が前に乗って、ペダルをキコキコ踏んで進み、フォーカス27に行きました。
着くと同時に彼は、杖を捨ててスタスタと歩いていきました。

酒浸りのまま死んだDさんには、高さ2m以上の巨大なウィスキーの瓶を用意し、その中に入れて、瓶ごとフォーカス27まで運びました。
大好きだった、赤いラベルの安酒です。
「いっしょに来れば、いくらでも飲めるよ」と騙して・・・。

「死んだら真っ暗になるのかな?」と言っていたEさんは、やはりお墓の中にうずくまっていました。
お洒落だったのを思い出し、たくさんの服や着物を見せて誘い出し、「もっといろんな種類があるよ」と騙してフォーカス27まで連れて行きました。

ライフラインを終えて

Have Fun!

救出活動は、とても楽しいものでした。
予想もしなかったところに行って、いろんなシチュエーションの人たちを、さまざまな方法を駆使して助ける--まるでゲームのようです。

楽しくて、寝ている暇はありませんでした。
集中できます。
救出できたら達成感があります。
救出できなかったら残念ですが、次のセッションでリベンジできます。
本当に、ワクワクします。

五感を働かせ、直感を信じ、創意工夫を重ねて救出する――。
非物質世界を知覚し体験しているという実感があります。
これからもワークを続けようという励みになります。

今回学んだ一番重要なことは、

子どものように無邪気(innocence)に、
好奇心(curiosity)を忘れず、
想像力(imagination)を働かせて、
創造(creation)することを楽しむ(enjoy)、

ということ。そうするとうまくいく。

決してシリアスにならないこと。
眉間に皺を寄せたり、溜息をついたりしないこと。
力んでしまってリラックスできず、うまくいきません。
見えるものも見えなくなります。
聞こえるものも聞こえなくなります。

決して不真面目なわけではありません。
至って真面目です。
ただ、楽しんでいるだけです。

楽しんで生きていると、明るく輝いて見えます。光そのもののようです。
楽しく生きる姿には、周りの人を癒す力があるのではないかと思います。
誰にでもできるヒーリング――それは、Have Fun!――簡単なことです。

新しい展開

ヘミシンクを始めた最初のころ、「これは自分が勝手に作り出したイメージではないのか?」と疑っていました。
しかし、その疑念は徐々に晴れていきました。

到底自分では思いつきもしない状況が展開します。
それに、何の前触れもなく突然イメージが現れ、しかもイメージの方が勝手に動き始めます。

最初は呼び水のように、自分でイメージしたり問いかけたりすることもあります。
しかしその後は、勝手にイメージの方が展開を始めます。

そのような状況に対して、私は主体的に関与しています。
自分も参加して物語を作り上げています。
その実感は確実にあります。

ですから、そこでは、「客観的な事実なのか」あるいは「自分が勝手に考えたイメージなのか」という議論は意味を持ちません。

主観と客観は同時に進行しています。
「主客合一」の一体的世界のように感じます。

「うまくいった」と思えるワークもあれば、「イマイチだったな」というのもあります。
何が違うのか?

意識だけでもない、無意識だけでもない--意識と無意識の両者が「対話」しながらストーリーが展開されるとき、「うまくいく」という感覚になります。

無意識からの声に耳を傾けず、意識だけに頼っているとダメです。
逆に、意識を殺して無意識だけになると、寝てしまうか、あるいはまったく意味のつかめないシンボルのようなものだけになってしまいます。

ライフライン・プログラム参加者には、自宅学習用のヘミシンクCD「Take Home Exercise」がもらえます。
帰国後一週間以内(まだ時差ぼけの間)に、2度ばかりTake Home Exerciseを聴きました。

フォーカス27の自分の家(Special Place)で、私が花壇の花に水を撒いていたら、誰かが訪ねてきました。
地味なグレーのワンピースを着て、頭には白と黒のスカーフのような帽子を被り・・・「シスター」のようです。

時間が来たので、しかたなく帰還しました。

2日後、もう一度CDを聞き、フォーカス27のSpecial Placeに行き、シスターが来るのを待っていました。
--すぐにやって来ました。

熊のガイドと一緒に3人で、例の公園に行き、車座に座って何か話をしていました。

ふと、「あ、この人は、私の新しいガイドではないか?」と感じました。
すると突然 ―― 地面にボコッと穴が開き、フォーカス23に向かって落下していきました。

――次の、新しいレトリーバルの開始です。

Have Fun!

非物質世界(無意識)への「本当の旅が始まった!」と実感しました。

後日談など

ヘミシンクには、何の副作用もありませんが、プログラムが終了した後、地に足が着く(グランディング)までしばらく時間のかかることがあります。
それを自覚していないとトラブルに繋がることがあるので、注意が肝心です。

前回、2006年9月のゲートウェイに参加し、モンロー研究所から帰国した後、本人はまったく気づいていなかったのですが、何か感覚がずれていたのでしょう。
そのまま仕事をしていたところ、一ヵ月後に大トラブルが発生しました。
しかし、トラブルの原因は自分にあります。それに気づくことができたということでは、よかったと思っています。
反省して直せばそれで済むことです。次からは、同じことが起こりそうになっても回避できます。

今回は、自覚しています。
何かが起こる。何が起こっても何とか対応しようと思っています。
自戒、自戒。

地下室の怪物

ちなみに、自宅での救出劇の続きは・・・。

――修道院のような建物の地下室の中にいます。
暗くてジトジト湿っている床に、怪物のようなものがうずくまっています。
頭が地面にめり込んでいるようです。
声をかけると、こちらに向かって尻尾のようなものでグォーッと威嚇してきます。

しばらく考えた後に私は、天井にライトセーバーを取り付け、目一杯明るく部屋を照らし続けました。

――少しずつ怪物の姿が変化してきて、頭が地面から出てきました。
人間のようですが黒くてよく分かりません。
すると――そのまま部屋全体が浮き上がり、フォーカス27に運ばれていきました。

フォーカス27の公園に到着すると、ジュワーッと部屋全体が溶けていきました。
本人は黒く、寝たままです。何人かの修道士(女)たちが近づいてきて抱き起こしました。
そして「癒しセンター」に連れていきました。

私も心配になって付いて行きました。
しばらく看ていましたが、大丈夫そうなので安心してスペシャル・プレイスに戻りました。

ライフラインのプログラムに参加したとき、なぜ急に「シスター」の格好をしたガイドが私の前に現れたのか?
謎が解けました。
理由がわかりました。

ライフライン・プログラムでは、「救出活動」以外にも、それに関連するテーマのセッションがありました。
「生体マップ」を作り、ドルフィン(イルカ)エナジーを使って、自分以外の(生きている)人をヒーリングする。
フォーカス27にある「癒し・再生センター(Healing And Regeneration Center)」に行って、自分自身がヒーリングを受けてくる。
地球のコアに行って、自分のPICコードを置き、そこからフォーカス27に意識をシフトさせるというプログラムなど。
それらも面白い体験でした。

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