過去世や未来世はあるのか?─【時空を越える旅コース】

投稿日:2017年10月28日 | 最終更新日: 2021年10月28日

はたして、過去世や未来世は、ほんとうにあるのでしょうか?

私は「ある」と思っています。
正確には「あるとしか考えられない」。

本音を言えば、あるか否かを議論するよりも大切なことがあると思っています。
それは、過去世や未来世を知り、それを追体験するなどのエクササイズを行うことで、心身が癒されたり、囚われから解放されたり、今を生きる元気が出てきたり、未来へ向かって生きていこうという意欲が出てくる、ということです。

アクアヴィジョン・アカデミーのヘミシンク・セミナーで、時空を超える旅コース ─ 過去や未来へ、時空を超えて自己探索」を開発し、トレーナーを担当してきました。
その体験と知見をもとに、拙著『超時空体験マニュアル ─ あなたにもできる過去世・未来世体験(ハート出版)をまとめました。

以下、『超時空体験マニュアル』からの抜粋です。

前世療法

この分野の研究では、米国の精神科医であるブライアン・L・ワイス博士の『前世療法 ― 米国精神科医が体験した輪廻転生の神秘』(PHP研究所)が世界的に有名です。

ワイス博士は、キャサリンという患者を催眠療法で治療しているうちに、彼女が自分の過去世に戻ってしまうという事態に遭遇しました。それをきっかけに、博士の価値観はすっかり変わり、彼自身の人生も激変していきます。

当時キャサリンは20代で、うつ、恐怖症、パニック障害などに苦しんでいました。彼女はワイス博士を訪れる前に他の治療を1年半近く続けていましたが、全く改善はみられませんでした。博士も最初は一般的な精神治療を試みていましたが、まったく効果ありません。そこで催眠治療を試すことにしました。抑圧されて思い出すことのできない、子ども時代のトラウマが発見できるのではないか、と思ったからです。しかし、いくつかのトラウマを思い出したものの、症状はいっこうによくなりません。

それでもさらに催眠治療を続けていきました。あるとき、ワイス博士は「あなたの恐怖症の原因となった出来事が起こったときへと戻りなさい」と指示しました。すると驚いたことに、キャサリンは約4,000年前の中近東での過去世に戻り、そのときの体験を語り始めたのです。しかも詳細に。とても彼女の知識や知的レベルでは知りえないようなことまで。最後に、おおきな津波に襲われて赤ん坊を波にさらわれ、自分も溺れて死んでしまったのです。さらにその日の退行催眠では、2つの過去世を思い出しました。一つは18世紀のスペインで売春婦だったときのこと、もう一つは中近東での人生から何百年か後の、ギリシア人の女性だった時のものです。

ワイス博士は大変な衝撃を受け、初めのうちはとても信じられませんでした。単なる幻想か空想に過ぎない、と思っていました。しかし、しばらく治療を続けていくと、過去世を思い出すたびにキャサリンの症状はどんどん良くなっていき、2~3ヵ月たつと薬を一切やめてすっかり元気になっていきました

4回目か5回目の催眠治療のとき、さらに不思議なことが起こりました。キャサリンを通して「マスター」と呼ばれる存在たちが現れ、ワイス博士にさまざまな教えやメッセージを伝えるようになったのです。マスターとは、キャサリンのまわりにいる「大いなる知恵を持つ霊的なガイドや精霊たち」のこと。キャサリンに伝えられた知恵はワイス博士に伝えられ、その後の彼の価値観と人生を大きく変えていくことになりました。

過去世の存在が精神医学会で公式に認められているわけではありません。しかし、効果があることは認めざるを得ない、とされているようです。

『前世療法』は1988年に出版され、日本語訳は1991年に刊行されました。この本は、世界中に大きな影響を与えた、と言われています。同書の文庫本の解説には、次のように書かれています。

本書は、アメリカと日本の精神的世界に大きな刺激を与えた一冊です。というのは、本書を読んだ(ほとんどの)人が、もう「人は輪廻転生しているのか、自分に過去世があるのか?」と考えるより、「自分は過去にどんな人生をすごしたのか、どんな人間だったのだろうか?」ということに関心が移ってしまうからです。輪廻というテーマがオカルト的感心でなく、より一般的な関心事になりました。

『前世療法①』PHP文庫 266頁

ワイス博士は催眠療法によって、過去世だけでなく、未来世にも導いています。前述のキャサリンの治療のときにも、一回目から未来へ連れて行っています。以来、多くの人を過去や未来へと導いています。

しかし、未来は決まっているわけではありません。博士は「未来は変更のきく目的地」である、と言っています。つまり、私たちの現在の選択と行動によって、未来は変わるのです。言い換えれば、私たち自身が未来を創っている。未来を創造しているのです。

今の道を進んだときの未来の姿を見ることができる。別の道を選んだ時の未来もみることができる。私たちは、どちらの道も、自分の判断で選ぶことができます。自由意志です。そのとき、私たちはどちらの道を選ぶか・・。

ワイス博士は、多くの未来世療法を行ってきた経験から、最後は本人の決断を信じている、と言っています。

「未来を見たとき、人はより賢い決断とより良い選択をするようになることを私は発見しました。」

『未来世療法』PHP出版 382頁

私たちは、今生をよりよく生きていくために、過去からさまざまなことを学ぶことができます。さらに、過去からだけでなく未来からも、私たちは多くの知恵を得ることができるのです。

ワイス博士の著書は、以下が翻訳されています(いずれもPHP研究所)。

誘導瞑想用のCDブックも発売されています。

記憶のゆがみ

過去世の記憶は、どれほど正確なものでしょうか。生まれてからの記憶でも、曖昧だったり、ときには欠落していたりします。ましてや過去世の記憶の場合はどうなのでしょうか。

ワイス博士は、前世療法の臨床経験を重ねるうちに、過去世退行時に体験する記憶の再現の中に、夢の場合と同じような、比喩やゆがみが混じりあっていることに気づき、それを整理していきました。

その結果が『前世療法②』の第三章に出ています。

実際の記憶シンボルや比喩歪み/偽り/間違い
15%70%15%
過去世体験80%10%10%

たとえば、あなたが今の人生の子ども時代まで退行して、幼稚園のことを思い出すように言われたとします。当時の先生の名前や自分の服装や壁に貼ってあった地図、友達のこと、教室のみどり色の壁紙などを思い出すかもしれません。そのあと調べてみると、幼稚園の壁紙は本当は黄色だったこと、緑色の壁紙は小学校一年生の時のことだとわかったとします。しかし、そうだからと言って、あなたの他の記憶も間違っているとはいえません。
同じ様に、過去世の記憶は一種の歴史小説といった性格を持っています。お話はファンタジーや創作、ゆがみ等がいっぱいあるかもしれませんが、その核心はしっかりした正確な記憶なのです。同じ現象は夢の中でも今生での過去への退行の場合にも起こります。みんな、役に立つのです。真実はその中にあるからです。
正統的な精神科医は過去世の記憶は心理的幻想に過ぎないと思うかもしれません。過去世の記憶は、子供時代の問題やトラウマの投影であり、作り話に過ぎないのでしょうか。
私や私に手紙をくれた医師たちの経験によれば、これは本当はまったく逆の関係にあります。ます過去世があり、その記憶や衝撃やエネルギーが、今の人生の子ども時代を形成してゆくようです。長い間ずっとくり返されていたパターンが、もう一度ここでくり返されただけなのです。

『前世療法②』PHP文庫 72~73頁

たしかに、記憶が間違っていることがあるかもしれませんが、たとえゆがみや曖昧さがあったとしても「その核心はしっかりした正確な記憶なのです」

とてもつらい思い出や、良心の呵責にさいなまれるような記憶の場合、私たちは無意識のうちに、そのことを思い出さないようにふたをしてしまったり、都合がいいようにゆがめてしまったり、まったく別の話に置き換えたりすることもあります。そうしないと耐えられないからでしょう。しかし、そういう記憶ほど、今の自分に大きな影響を与えているものです。しかも自分では自覚できないことが多いのです。

一方、未来の “記憶” の場合は、現在の自分の、無意識の願望や欲求、あるいは信念や固定観念、価値観によってゆがむ可能性があります。

過去世であっても未来世であっても、見たものをすぐに鵜呑みにするのではなく、じっくりと意味を考え、その体験の本質は何なのか、何を学んだのか/学ぶべきなのか、といった客観的な視点で解釈していく必要があると思います。

トータルセルフ

モンロー研究所では、「トータルセルフ」という概念を使っています。「私」というのは「今ここにいる私」だけではない、過去、現在、あるいは未来も含めたトータルな「すべての自分の人格の総体」である。中には人類ではない別の生命体や、別の世界、別の宇宙の存在もいる。

モンロー研究所の創設者、ロバート・モンローは、I/There(アイ・ゼア:向こうの自分)と呼びました。こちらの世界(Here)に対して向こうの世界(There)にいる自分という意味です。

モンローの著書『究極の旅』(11章・12章)には、I/Thereとは「各個人が持っている、前世、現世を含めたすべての人格の自分のこと」とあります。何百、何千という人格が含まれるようです。そして「各人格はそれぞれ、個人としての認識力、精神、記憶を持つ、意識・感覚をそなえた存在」であると。

つまり、トータルセルフは自分の総体であると同時に、個々の人格を備えた個人でもある、ということです。「全」であり「個」でもある。

トータルセルフには、過去から未来も含めたたくさんの自分がいます。ということは、トータルセルフそのものは、時間と空間を超えた存在です。

時空を超えた存在――したがって、それぞれ個々の人生を「過去世」とか「未来世」と呼ぶのは、正確にはふさわしくない――ということえ、モンロー研では「人格」(Personalities)、「生命表現」(Life expressions)、「側面」(Aspects)、あるいは「別の人生/他の生」(Other lives)と呼んでいます。

ワイス博士の言う「マスター」は、ヘミシンクのセミナーで言われる「ガイド」「ハイヤーセルフ」とほぼ同じものだと理解していいと思います。

ロバート・モンローによれば、トータルセルフには、中心となっている存在たちが複数いると言われています。それは、一般的には「ハイヤーセルフ」呼ばれています。モンローはその集団を「EXCOM」と呼びました。Executive Committee(代表委員会)の略です。

そして、その集団の構成員の中で、私たちの成長を促し導いている存在が「ガイド」です。

トータルセルフやガイドについての詳細は『ヘミシンクとモンロー研究所のすべてがわかる「超入門ガイド」』(デザインエッグ社)をご参照ください。

時間という幻想

私たちは「こちらの世界」の時間軸の中で、過去・現在・未来と輪廻を繰り返しています。しかし、時間軸は必ずしも過去から未来へと一直線に進んでいるわけではありません。①紀元前4000年の人生を経験したあと、現在を飛び越えて未来へ行き、②西暦3000年での人生を体験する。そして次に、③現在の自分を体験している、といったこともあり得るのです。

たとえばロバート・モンローの場合は、人間界で輪廻を始めるとき、最初は現代に近い時代のニューヨークに男性として生まれたそうです。その次の生は今から3~400年前のヨーロッパ(おそらくイギリス)で農婦を経験し、その次は古代の戦士と続きます。

私たちの生は、必ずしも時間の流れに沿って順に未来へと並んでいるのではありません。生きた順番はあるので、「前世」という言い方はできますが、必ずしも前世が「過去世」であるとは限りません。前世が「未来世」の場合もありのです。

にわかには信じられないかもしれませんが「時間」はガチガチに固定したものではないようです。「時間とはイリュージョン、幻想である」あるいは「時間とは、一つの信念体系である」ともいわれています。

『バシャール×坂本政道』(VOICE)の中で、バシャールは次のように語っています。

はい。私たちは混乱を招かないように、みなさんの〈時間と空間という直線的な参照(リニアレファランス)〉の中で便宜上そう説明したのです。
しかし、すべては今、存在しています。
みなさんのような〈時間と空間という直線的(リニア)な現実〉の中で、このような概念を伝えようとすると、ここのところが一番難しいですね。
・・(中略)・・
ですから、たとえば、私たちが〈直線的(リニア)な時間と空間という視点〉から「輪廻」という言葉を使ったとき、実際には私たちは「同時に存在しているたくさんの人生」ということも言っているのです。
しかし、〈直線的(リニア)な時間と空間という経験〉の中での輪廻は、すべてを同時に見る経験と同じく有効だということもわたしたちは理解しています。
・・(中略)・・
一つひとつの人生は選択されています。そして、スピリットが人生を選ぶとき、その人生で探求する特定のテーマを選びます。
また、別の人生があること、そして、特定の人生を選ぶと、同時に存在している他の人生とエネルギー的なつながりができることがスピリットにはわかっています。
そのつながりは、その人生で設定したテーマを探究するのを助けてくれるかもしれません。
それらのつながりは過去からやってくるのではなくて、今、現在において作られるのです。
たとえば、オーバーソウルはふたつの人生を同時に作り出すかもしれません。
ひとつは悲劇を経験する人生、もうひとつは悲劇を克服するような人生。
そのふたつの人生の間にはエネルギー的なつながりがあります。 しかし、両方は同時に共存しているのです。
〈直線的(リニア)な時間と空間という視点〉から見ると、あの人生が前にあって、この人生が後にある、というように思えるかもしれません。
しかし、それは幻想なのです。

『バシャール×坂本政道』VOICE 192~195頁

「過去と未来は同時に存在している」ということ。
そして「人生のテーマは自分で選んでいる」ということです。

「バシャール」は、アメリカ人のダリル・アンカをチャネラーとして、「ワクワクして生きる」をメインコンセプトにメッセージを伝える集合意識。
※オーバーソウルはトータルセルフと同義。

ワイス博士も、同様のことを言っています。

私たちが未来を見ることができるのは、過去も現在も未来も一つであり、今、ここに、同時に起こっていて、年、月、日、時間、分という地位旧時間を図る時間軸とは全く違うという事実に、私たちのどこかが反応しているからだと思います。事実、未来は今であり、この惑星上でさえも、私たちは自分の「今」を自分たちの行動によって作ることができます。この人生の残りの年月のためだけでなく、未来のすべての転生のために、そして永遠の命のために準備することが大切なのは、このためです。

『未来世療法』PHP出版 380頁

「時空を超える旅コース」

アクアヴィジョン・アカデミーで開催している「時空を超えるたびコース」では、ヘミシンクを使った誘導瞑想で、1日4回の過去世・未来世体験のエクササイズを行います。

今のあなたは、どこから来たのでしょうか?
今のあなたの前は、何をしていたのでしょうか?
別の時代にもいた(いる)自分を、あなたは知っていますか?
あなた自身についての深い理解を得て、
より自由に、喜びにあふれた人生を歩んでいきましょう。

詳しくは〈こちら〉をご覧ください

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